F1世界選手権2023を観よう


私のささやかな楽しみの一つ。それはF1のレースを観戦することです。見始めたのは2019年からなので、今年で5シーズン目になります。

F1は全10チーム20名のドライバーたちが、年間20以上のレースを通して、チームおよび個人の合計ポイントを競います。


私は日本でのF1人気がもっともっと高くなってほしいと思っています。そのため、F1のファンとして今の思いを綴っていきます。


◆角田裕毅について

今年アルファタウリで3年目のシーズンを迎える、日本人ドライバーの角田裕毅選手を私は応援しています。角田選手は2000年生まれの22歳で、ホンダのサポートのもとF3やF2といった下位カテゴリーで頭角を現し、2021年にアルファタウリでF1デビューを果たしました。アルファタウリはレッドブルのジュニアチームで、両チームともホンダのPU(エンジン)を搭載しています。












私は角田が好きです。

同じ日本人として応援する気持ちはもちろんですが、物怖じしない素直な性格が良いなと思うし、レース中果敢に攻める姿勢や、オーバーテイクの攻防戦で見せる光るテクニックなど、見ていてとてもワクワクするからです。

3年目となる角田はすでに新人ではないため、常に良い走りをしてコンスタントにポイントを獲ることが求められます。結果を出せないと来季のシート獲得は厳しいかもしれません。

今年から角田とコンビを組むアルファタウリのもう1名のドライバー、ニック・デ・フリースは遅咲きの新人で、経験豊富な28歳のオランダ人です。F1で生き残るためには、角田を上回る活躍を示す必要があるでしょう。

どちらにとっても正念場のシーズンです。

ただ今年のアルファタウリのマシンには競争力がありません。ポイントが獲得できる10位以内でフィニッシュすることは、昨年や一昨年よりも難しそうに見えます。

今シーズン初戦のバーレーンGPと、2戦目のサウジアラビアGPでは、角田はどちらも11位という結果でした。どちらの11位も、目の前にポイントが見えていた、本当に惜しい11位でした。しかしアルファタウリのマシンでこの結果というのは見事だったとも思います。

私はこの先も、角田の活躍をもっともっと見たい!と思っています。



◆F1を観る方法

現在、日本でF1を観るには有料放送(DAZNもしくはスカパー)しか手段がないため、初心者にはハードルが高いと感じます。

しかしF1公式はSNS発信が充実しており、過去のレースや名場面など色々な映像をYouTubeで見ることが可能です。(音声は英語ですが。)

またDAZN JAPANでもレースのハイライト映像をYouTubeにあげるサービスが始まり、レースの一部始終を味わうことが可能となっています。

各チームやドライバーたちも、InstagramやTwitterなどを多く活用しているので、レース以外の様子もソーシャルメディアを通じて知ることができます。

またNetflixのコンテンツ『Formula 1:Drive to Survive (栄光のグランプリ)』には、シーズンごとにF1の各ドライバーやチームを取り巻くドキュメンタリーが収録されています。これを見ると、様々なチームの関係者の視点からF1を巡るドラマを見ることができ、とても面白いです。


◆F1のルール

F1の決勝では、サーキットでの周回を重ね、トップでゴールしたドライバーに最大ポイントが加算されます。年間の合計スコアによって、ドライバーとチームのランキングが決まります。

決勝で好位置をキープするには、まずスタートのポジション(グリッド)が重要です。スタートグリッドは、前日に行われる予選の結果で決まります。予選では、各ドライバーがサーキットの1周のタイムを競います。

決勝のスタート時、マシン性能やコース取りの差によって、順位が大きく変動する可能性があります。接触などによるスピンやクラッシュに巻き込まれるリスクもあります。

スタート後はひたすら順位を上げることが目標になります。前方の車との差が1秒以内であればDRS(空気抵抗軽減システム)を使うことができ、ストレート区間で差を縮めたり、オーバーテイクを仕掛けることが可能です。

またレースにおける重要な要素として、タイヤが挙げられます。各車は、決められた3種類のタイヤ(Soft/Midium/Hard)から、戦略に合ったものを選んで履きます。さらにレース中には少なくとも1度、違う種類のタイヤへ履き替えるルールがあります。そのため、どのタイミングでどのタイヤへ交換するか、というのは順位変動の大きな要素となります。タイヤの特徴として、ソフト(S)はグリップ力が高く速いがすぐ劣化する、ハード(H)はグリップ力が低いけど長持ちする、という特徴があります。ピットクルーによるタイヤ交換作業も、ミスなくスムーズに行うことが求められます。

こういった要素の中で、マシン性能やテクニックを駆使して、ドライバーたちは順位を争います。途中、アクシデントによる走行不良車や破片の散乱などが生じると、安全確保のためにセーフティカー(SC)が導入され、走行中の車はすべて、追い抜き禁止のうえ低速走行が義務付けられます。低速のためここでタイヤ交換を行うとタイムロスが削減できたり、遅れていた車にとっては前方との差が縮むため、戦略的にうまく活用できれば有利に働きます。


◆ドライバーたち

ドライバーについて私個人の抱く勝手なイメージで紹介したいと思います。


[マックス・フェルスタッペン] (レッドブル)

2021年、2022年の世界チャンピオン。史上最年少でF1デビューを果たしたオランダ人。ドライビングは上手だけどちょっと強引なところがある印象。自分の勝利・ポイントを最重視するあまりチームの指示を無視する勝手なところがある。今シーズンも最高のマシンとともにトップを独走しそう。


[セルジオ・ペレス] (レッドブル)

数々のチームを渡り歩いてきたベテランのメキシコ人。レッドブル加入後は、2番手ドライバーとしての役割を見事に果たしており信頼も厚い。2021年最終戦のアブダビGPでは、ハミルトンを抑え込む超ファインプレーでフェルスタッペンの世界チャンピオン確定をアシストした。


[ルイス・ハミルトン] (メルセデス)

過去7回世界チャンピオンに輝いたベテラン大スターのイギリス人。ドライビングはスマートな印象。レース中の無線では、自信のなさそうなことを言っておきながら実際は余裕でこなしてみせる、ということが多い。昨季(2022)と今年はマシンのコンセプトが良くないため優勝争いからは遠ざかりつつある。


[ジョージ・ラッセル] (メルセデス)

ハミルトンに代わる次期メルセデスのNO.1ドライバーではと期待されるイギリス人。ハミルトンより良い結果を出す場面も多く、レースでも安定した良いプレーを見せている。常に前向きな好青年という感じ。


[シャルル・ルクレール] (フェラーリ)

フェラーリで世界チャンピオンを目指すモナコ人ドライバー。もちろん上手。昨季はマシントラブルやチーム戦略に泣かされ総合2位で終えた。今季も苦戦が予想される。。レース中の無線では自分の意見をはっきり言わず暗に仄めかす言い方をするイメージ。近年はトラブルが多いため怒っている無線が多い。


[カルロス・サインツ] (フェラーリ)

過去数チームで堅実な成績を残し、フェラーリドライバーにステップアップしたスペイン人。父親はラリーカーの元世界チャンピオン。知性的で実直なドライバー。育ちが良さそう。(そりゃそうだろうけど)。同胞のアロンソを尊敬している。


[フェルナンド・アロンソ] (アストンマーティン)

世界チャンピオンを2度経験している大ベテラン41歳のスペイン人。ドライビングの腕はピカイチでサービス精神も豊富。かつてはフェルスタッペンの父親とも戦った経験あり。今季はマシンが好調なので10年ぶりの優勝が見れるかも。


[ランス・ストロール] (アストンマーティン)

カナダ人ドライバー。親が大富豪でチームを買収しオーナーとなっている。無謀なドライビングで危険な場面も多々あり。今季の開幕直前に両手首と足の指を骨折し、出場は絶望的と思われたが執念の復帰。好調のマシンで上位を狙う。


[ピエール・ガスリー] (アルピーヌ)

フランス人ドライバー。昨季までアルファタウリでチームメイトだった角田とはとても仲良し。2019年レッドブルドライバーに昇格するが成績がふるわず、シーズン半ばでトロ・ロッソ(現アルファタウリ)へ降格となった。その後もアルファタウリで活躍する。現チームメイトで同胞のオコンとはかつて確執があったとされる。


[エステバン・オコン] (アルピーヌ)

フランス人ドライバー。どんなときも笑顔で一癖ありそうなイメージ。腕は良いが強気なプレーで接触する場面が度々ある。過去には周回遅れでありながらトップのフェルスタッペンを抜こうと接触し、フェルスタッペンが優勝を逃して揉めたことも(和解済み)。


[ランド・ノリス] (マクラーレン)

将来が期待される若手イギリス人ドライバー。昨季までは上位勢に割って入る活躍を見せており表彰台も経験しているが、今季は絶不調のマシンに泣かされている。角田のことをネタにしがち。


[オスカー・ピアストリ] (マクラーレン)

今季デビューのオーストラリア人ドライバー。下位カテゴリーのF3、F2ではどちらも1年でチャンピオンを獲得(過去にはルクレールとラッセルも同様)。アルピーヌからデビューすると思われたが水面下ではマクラーレンと交渉していた。ただマクラーレンのマシンは昨季とは違い絶不調なのに対しアルピーヌは好調の様子。


[バルテリ・ボッタス] (アルファロメオ)

ベテランのフィンランド人。長年メルセデスのNO.2ドライバーとしてハミルトンを支えてきた。競り合う場面では押しが弱く譲ってしまいがちなイメージ。寡黙な感じだけど意外に茶目っ気があり憎めないキャラクター。


[周冠宇(ジョウ・グアンユー)] (アルファロメオ)

デビュー2年目の中国人ドライバー。マシンの競争力は弱いが安定した走りをしている。昨年のイギリスGPではスタート直後の多重クラッシュにより車がひっくり返った状態でコースアウトしフェンスに激突。あまりの勢いに安否が心配されたが大事には至らなかった。バックには中国の巨大なスポンサーがついているらしい。


[ケビン・マグヌッセン] (ハース)

ベテランのデンマーク人。父親も元F1ドライバー。競争力の弱いマシンをうまく操っている印象。現チームメイトのヒュルケンベルグとは過去にひと悶着があったが和解済み。(今はお互いネタにしている。)昨年のブラジルGPでは予選の赤旗中断と雨のタイミングが味方して自身初ポールポジション獲得という波乱を演出した。


[ニコ・ヒュルケンベルグ] (ハース)

今季3年ぶりにF1に復帰したベテランのドイツ人。過去たくさん活躍しポイントも稼いでおり優勝経験があってもおかしくない存在なのに、これまで優勝のチャンスを物に出来ていない。


[角田裕毅] (アルファタウリ)

F1デビュー3年目となる日本人ドライバー。レース中の無線では怒りでヒステリックになっている場面が度々ピックアップされている。やんちゃな弟みたいなキャラクターとして認知されている気がする。


[ニック・デ・フリース] (アルファタウリ)

今季デビューの28歳のオランダ人。メルセデスのリザーブドライバーだった昨年、ウィリアムズ(メルセデスのPUを搭載している)のアルボンが体調不良となり、代打としてイタリアGPに出場した結果、見事9位フィニッシュでポイントを獲得した。これがきっかけとなり今季のアルファタウリのシートを獲得。


[アレックス・アルボン] (ウィリアムズ)

タイ人ドライバー。競争力の弱いウィリアムズのマシンをうまく操り、ポイント獲得など活躍を見せている。トロ・ロッソ(現アルファタウリ)、レッドブルでのドライバー経験がある。2021年シーズンはF1シートの獲得ならずレッドブルのリザーブドライバーを務めたが、同時に当時新人だった角田のメンターとしても役割を果たした。


[ローガン・サージェント] (ウィリアムズ)

今季デビューのアメリカ人。昨季のF2では総合4位だった。近年はアメリカでのF1人気が高まっており、アメリカでのレースも数回予定されている。そんな中で久々のアメリカ人ドライバーとして注目されている。



◆2023F1ドライバーの相関図を作ってみました。

 (※青線は現チームメイト。点線は元チームメイト。)


今シーズンの行方も楽しみです!

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