私は社会人経験14年。新卒からずっと同じ会社で働いている。
若手のころに、転勤を経験した。
赴任先は、縁もゆかりもない、地元から遠く離れた地域で、ブルーカラーの人が多く働く工業地帯。当然のように馴染めなかった。
当時の私は他力本願で詰めが甘いうえ、愛嬌もなく、口下手で気が利かないタイプだった。赴任先の人たちは、現場系の人々なので、手取り足取り親切に教える風土はなく、若い女性の指導にも慣れていない。
お互いにうまくかみ合わなかった。
当時私の指導係になった人は、超多忙の人だった。役に立たない私のことは迷惑な存在だったと思う。私の仕事ぶりが気に入らないみたいで、毎日のように嫌味や厳しいことをたくさん言われた。(今の私ならその気持ちも分かるけど。)
職場以外に知り合いの居ない私は、ここでの生活が本当に苦痛だった。私も先輩たちも、ブラック企業の社畜そのものだった。
そしていつしか、この生活が日常になった。
この日々の中で、人のささいな優しさを本当にありがたいことだと感じるようになった。
例えば仕事とは関係のないところで、ちょっとした雑談をふってくれたり、私のことを気にかける言葉をかけてくれたりとか。苦悩の多い日々の中、それがどれだけ大きな励みになったことか。
(ちなみに私は当時よく、中島みゆきの『時代』を聴いて歌詞に自分を重ねていた。)
その後、時間はかかったけれど、私は赴任先の人たちとそれなりに打ち解けることができた。(向こうも当初はどう接して良いか戸惑いがあった様子だった。)株の運用のやり方など、社会人として有益な情報も教えてもらった。
さらにここでの生活を経て、私は非常に我慢強くなり、仕事が丁寧になり、何事も自分で調べるようになった。
数年後、私は以前の支社へ戻った。
赴任先での指導係だった人が本当に厳しかったおかげで、それに比べると何事も大したことないと思えた。その後の仕事も苦ではなかった。自分を犠牲にバリバリ働いて、昇進にもつながった。あのとき苦しかったけど、必要な経験だったと思う。。。
というか、正直そう思わないとやっていけない。あのときの自分を肯定したい。
当時の赴任先の人たちとは、今も度々仕事で絡むことがある。あの当時は本当にみんな忙しくしていたけれど、今は状況も変わって、みんな丸くなった気がする。
働き方改革、コンプライアンスなども強化され、女性社員も年々増加している。
この時期、仕事や進学のために一人で知らない地域に転居する人はたくさん居ることだろう。
都会や田舎、県民性、気候などによって、合う/合わないの差も大きいと思う。
どうか、元気にのびのびと過ごしてほしい。
仕事や学業も大事だけれど、苦しいときには我慢し続けないで、しっかり休息を取って。
それが何歳でも、どんな立場の人でも。
今の時代、働き方でも何でも、多様化が進んでいるし、稼ぐ道はたくさんあると思う。
一人で心細さを抱えている人には、ただ「気にかけてるよ」ということを伝えたい。
大切なあなたへ。
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