2020年のコロナ禍を振り返る

 20202月、新型コロナウイルスの流行により人々の生活が変化し始めた。日ごとに全国で感染者が増え、次第に身近なところでも聞こえてくるようになった。

政府は大規模イベントの自粛を要請し、全国の学校(小中高)へ臨時休校を要請した。海外からの入国も制限されるようになった。3月後半、感染者の多い都府県で外出自粛が要請されると、47日には政府より緊急事態宣言が出された。

病院や保健所の職員が対応に追われる日々の中、一般の店舗からはマスクや消毒液、ハンドソープなどが品薄となり、高額転売が問題になった。

 

世界中で猛威をふるうウイルスは、WHOによりパンデミックと認定された。各国の都市でロックダウンが行われる中、東京五輪の1年延期が決定された。

 未知のウイルスと先の見えない自粛生活。これまで経験したことのない社会の変化に、多くの人々が不安を覚えた。

当時のことを振り返る。

マスクは本当に入手困難だった。ドラッグストアには開店待ちの列が出来るほど。幸い私はマスクを家に数枚持っていたため、それを大事に使うことにした。布マスクなども普及し始めた。さらには徐々に海外製の安っぽい不織布マスクなども出回り始めた。私がネットで買った2000円で30枚入りのものでさえリーズナブルな方だった。

ハンドソープも入手困難だった。私はたまたまキッチン用のハンドソープが家にあったので、それを使って手洗いをした。しばらくしてから有名メーカーの泡ハンドソープが買えたときはとても嬉しかった。コロナ前までは帰宅後などに意識して手洗いをしたことはなかったが、コロナを防ぎたい一心で、必ず手洗いを行うようになった。出先でのトイレの後も、以前は水で適当に手を濡らしていた程度だったが、必ず石鹸を使うようになった。飛沫防止の観点でハンドドライヤーは使用禁止とされていたので、ハンカチを持ち歩くようになった。


職場では勤務形態が変更され、職種に応じて、在宅勤務・輪番制・時差出勤などが取り入れられた。県を跨ぐ外出や、複数拠点の往来は禁止された。私は仕事用の機器を自宅に置き、在宅勤務を行うことになった。 

連日の在宅勤務は新鮮だった。

通勤がないので朝はゆっくりできるし、仕事の合間に洗濯などの家事を行うことができた。いつでもトイレに行ける安心感があることも、何気に大きなメリットだった。

 

一方で不都合な点もあった。

当時住んでいた1Kの部屋にはデスクワークに適した机がなく、こたつテーブルで仕事をするのはしんどかった。部屋には常に仕事用の機器や資料が広げられた状態でうんざりした。運動不足とおやつの食べ過ぎにより体重が増加した。姿勢も悪くなった。

 

私は自粛生活を少しでも楽しむため、私はテレビゲーム『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』を買った。中古で2万円(定価の倍以上)と高値だったが、収録タイトルの1つ、子どもの頃に大好きだった『スーパーマリオワールド』をどうしてもやりたかった。そして図らずも『ファイアーエムブレム 紋章の謎』にドはまりした。たくさん楽しむことができたので良い買い物だと思えた。

 

さらに、動画配信サービスのNetflixに加入した。とりあえず話題のアニメ『鬼滅の刃』を全話観た。流行に乗れた気がして嬉しかった。


在宅をいいことに、株取引の短期売買にも手を出した。株価の変動に一喜一憂し、毎日気になって仕方がなかった。ある日突然持ち株の株価が急落し、あまりのショックに見れなくなった。今は塩漬け。中長期的に運用していこうと決めた。

 

自粛とマスク生活の中では化粧をする必要がない。めったにない機会だと思いスキンケアに力を入れた。この生活なら睡眠もたっぷり取れる。評判の良い洗顔や美容液も購入した。こんなに長い期間お化粧をしないことなんて何年ぶりだろう。良い変化を期待して数か月にわたり取り組んだが、目に見えた変化は訪れなかった。


ある日、どうしても出社しなければならない日が来た。通勤電車はすいていた。久々に会社に出ると、私と同じように出社が必要な人がチラホラ来ていた。職場は静かで快適だった。しばらくぶりに同僚と対面で話すのはとても楽しく、お互いの自粛中の話などで盛り上がった。社員食堂には『黙食』の注意書きとパーテーションが設けられ、座席数は間引きされていた。

久しぶりの通勤により、その日帰宅後に大きな疲労に襲われた。通勤がないだけでこんなにも体力が低下することを初めて知った。

あれから3年。コロナは完全になくなったわけではないが、人々の生活はだいぶ戻ってきた。コロナの影響を受けて変わったことはたくさんある。苦労や不安、辛い思いなどを抱えた人も世界中にたくさん居るだろう。

今はまた仕事に追われ、平穏な日常のありがたみをつい忘れてしまいがちだけど、こんな日々が戻ってきて良かったな。

この先も変化する時代とともに、多くの人が心穏やかに過ごせる社会でありますように。














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